「組版造形 白井敬尚」の魅力とは?
紙面に文字組版を配置・構成した空間を含む造形のことを「組版造形」といいます。今回の展示会は、この組版造形を基にブックデザインやエディトリアルデザインを数多く手がけ、世界で高い評価を得ている白井敬尚(しらいよしひさ)さんの企画展です。
白井敬尚さんの代表的な仕事といえば、世界的に有名なデザイン誌「アイデア」のアートディレクション。多彩なジャンルのテーマを扱う同誌のデザインを、10年にわたって担当していました。
また、白井さんは多数の書籍の組版にも関わってきました。会場では白井さんがこれまでに携わってきた書籍の紙面を例に、白井さんがモノ・コト・ヒトについて注意深く読み解き、丁寧に1ページ1ページ組版を整えていく流れをご紹介。白井さんが作成した文字を読むと、今までに感じたことのない読書体験ができるかもしれませんよ。
今回の展覧会はさまざまな雑誌や書籍の装丁と同時に、それらの中身、つまり墨一色のページがずらりと並ぶといったユニークなもの。他にも、白井さんが仕事をするときに参考にした資料なども展示されています。
本や雑誌1冊を読むのにかかる時間は数時間または1日程度ですが、作り手は1つの書籍を制作して書店に並べるまでに、膨大な時間とこだわりを込めています。この展覧会で、目に見える部分だけでなく、書籍が作られるまでの「見えない経緯」もお楽しみください。
会場では、10月6日に行われた白井さんのトークイベントの様子もスクリーンで上映しています。本人から語られる組版やデザインに関するエピソードはファン必見です。
会期は11月7日の火曜日まで。入場無料で夜7時まで開いています。仕事帰りやショッピングのついでに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。